「『Toxic-a-Holic』Fan Party謎付きクリアファイル」クリアおめでとうございます!
最後まで解いてくださった皆様に、描き下ろしイラストとSSのプレゼントです!ぜひお楽しみください!
サポーター「支部長、こちら承認をいただきたい資料をまとめしたので、ご確認お願いします」
支部長「ありがとう。そこ座ってくれる?」
サポーター「書類を机に置いておいてくれ、じゃなくて、僕が座れですか?」
支部長「うん」
サポーター「分かりました」
10分後
ヘムロック「支部長、もらった名簿に合わせて、封筒に手紙を入れる作業は終わったが、次は何をする?」
支部長「うーん、次はね……あ、サポーターくんページ1枚戻ってくれる? この文言だと、その前の条項と齟齬が出る気がしてて」
サポーター「はい、わかりました」
ヘムロック「えっと……これは突っ込んで良いものか?」
支部長「ああ、ヘムロック仕事ありがとう。次は何を頼もうかな……待ってね、えっとヘムロックに頼んでも良い仕事……」
サポーター「請求処理……は流石に無理ですもんね。経理システムのアカウントが付与されていないし」
支部長「お金周りは僕たちがやった方が良いだろうからねぇ」
ヘムロック「手伝える仕事が無ければ無いで良いんだが……その、この状況の説明は求めても良いものか?」
支部長「説明ってなあに?」
サポーター「支部長に承認をいただきたい事項がいくつかあったので、口頭で確認を行なっています」
ヘムロック「いや、それは会話の内容から察しているのだが……」
サポーター「あぁ、ちゃんと後で言われたことは証跡を残しますよ。口頭確認だけだと、言った言わないになってしまって危険ですからね」
支部長「サポーターくんはいつも丁寧に書面に残してくれるから助かってるよ」
ヘムロック「……あの、その髪型には何か意味があるのか?」
支部長「意味?」
ヘムロック「あぁいや、サポーターの髪を支部長が結い直しているだろう?それには何か意味があるのかと……」
支部長「意味なんて無いけど?」
サポーター「そうですよ。意味なんて無いに決まっています」
ヘムロック「……そうきょとんとされると困るんだが、意味がないことを、なんで忙しい時にやっているんだ?」
支部長「似合いそうだからだけど?」
ヘムロック「……サポーターはそれで良いのか?」
サポーター「良いも何も、支部長の望むことですから」
ヘムロック「まぁ、双方に合意が取れていることにとやかく言うつもりは無いが……意味がないことを忙しい時にするのは、その、無駄じゃないか?」
支部長「あぁ、ヘムロックは無駄反対派?」
ヘムロック「無駄は誰だって嫌いだろう……と思っていたが自信がなくなってきた」
支部長「意味のあることばかりしているとね、時々すごく無駄なことをしたくなるんだよ」
サポーター「支部長は昨日から、来月の総会の準備を徹夜でやっていますもんね」
支部長「うん。すごく大事で意味のある会議の準備をやってるよ」
サポーター「それは無駄なことをしたくなって当たり前です」
ヘムロック「そ、そういうものなのか? でもそれなら、髪を結うより、素直に休憩を入れた方が良いのではないか?」
支部長「何言ってるの、そしたら僕の承認が滞っちゃうじゃない」
サポーター「有意義なことと無駄なことを並行してやるのがコツですよね」
ヘムロック「そ、そうなのか……。じゃあ私も何も言うまい。髪を結い直すことで、気分転換にもなるだろうしな」
5分後
支部長「よし、できたよ。ツインテールにしてみたけど、どう? やっぱり素材が良いとどんな髪型でもサマになるよね」
サポーター「ありがとうございます。支部長がしてくださったならどんな髪型でも受け入れます」
支部長「これ、折角だから写真撮ってグループチャットに投下する? どうする?」
サポーター「どちらでも良いですよ、お任せします」
ヘムロック「……2人とも、コーヒーが入ったぞ。あとこれ、お茶請けのクッキーだ」
支部長「あれ、僕たちコーヒー頼んだっけ?」
ヘムロック「いや、このまま見過ごそうと思ったが、やはり一旦休憩を入れた方が良さそうだと思ってな……」
サポーター「ありがとうございます。髪も結び直しましたし、僕はコーヒーを頂戴したら、そろそろ自分の仕事に戻りますね」
支部長「サポーターくん、わざわざ確認来てくれてありがとうね」
ヘムロック「支部長もサポーターも、10分でも良いから仮眠を取ってくれ、頼む」
15分後
サポーター「支部長!なんですか、この髪型!執務スペースに戻った瞬間、他の職員から笑われました! 僕の髪の毛で遊ぶのはやめてくださいよ!」
支部長「え、僕がやったんだっけ、これ」
サポーター「あと勝手に写真をグループチャットに投下したでしょう! 肖像権侵害ですよ!」
ヘムロック「写真はさっきサポーター自身が許可を……いや、もう何も言うまい」
支部長「道理でさっきからチャットの通知が鳴り止まないと思った」
サポーター「ヘムロック、ありがとうございます。ヘムロックにコーヒーをいただいたお陰で、頭がハッキリしました」
支部長「僕はまだ……」
サポーター「支部長、さては昨日と言わず一昨日から徹夜していますね?」
支部長「最近、1日の切れ目が分からなくなってきてるから、何徹とかあんまり覚えてなくて……」
ヘムロック「そろそろ、労働局が動いた方が良いんじゃないか」
支部長「機関は、世界の非常時に作られた超法規的組織だからね、労働基準法なんて関係なし! 本部は絶賛働き方改革中らしいけど!」
ヘムロック「散々、我々毒物男子に人権なしと言ってきたが、機関という組織は、人間でさえ人権が無いのかもしれないな……」
END